ISO/JIS規格とFBIA認証をやさしく解説 —何を保証し、何を保証しないか
ISO/JIS規格とFBIA認証をやさしく解説 —何を保証し、何を保証しないか
「『FBIA認証』ってあるけど、これがあれば効果は確かなの?」「『ISO準拠』と書いてあれば安心して選んでいい?」——製品ページでこうした表示を見て、判断の決め手にしていいのか迷う人は多いはずです。
先に正直な結論からお伝えします。ISO/JISの規格は、泡の呼び名や測り方を決めた"共通のものさし"です。個別の製品が基準に適合しているとか、泡がちゃんと出ているといったことを認証する仕組みではありません。一方FBIA認証は、指定ラボが発生性能を測ったうえで、登録された特定の効果・条件や品質管理・広告表示までを審査する制度です。ただし効果の試験データはメーカー自身が出したものでもよく、国が効果を保証するわけでも、独立した研究の代わりになるわけでもありません。だから「認証あり」「ISO準拠」の表示は、「あなたの目的(肌・洗濯・掃除など)に効く」ことの保証ではありません。効果があるかどうかは、その用途で別に確かめられているかを見る必要があります。
この記事では、ISO 20480/JIS B8741が何を決めているのか、FBIA認証が何を審査しているのかを分けて整理します。ここを分けて読めるようになると、広告の言葉に振り回されずに選べます。
なお本文では情報の出どころ(公的な規格か、業界団体の制度か)がわかるように書き分けています。
ISO/JIS規格が決めているのは「言葉と大きさ」
まず規格の話から。ファインバブルには国際規格(ISO 20480シリーズ)があり、日本の産業規格(JIS B8741シリーズ)もほぼ同じ内容で対応しています。この規格が決めているのは、効果ではなく「共通の言葉づかいと測り方」です。中身は大きく3つに分かれます。
1つ目は用語と大きさの定義です。 ISO 20480-1(対応するJIS B8741-1)は、泡の呼び名を大きさで次のように決めています。
| 呼び名 | 大きさ(直径) |
|---|---|
| ファインバブル | 100マイクロメートル未満(総称) |
| ├ マイクロバブル | 1〜100マイクロメートル |
| └ ウルトラファインバブル(UFB) | 1マイクロメートル未満 |
※1マイクロメートル=1000分の1ミリ。
つまり「ファインバブル」は大きなくくりで、その中にマイクロバブルと、さらに小さいウルトラファインバブルがある、という親子の関係です。これは宣伝用語ではなく、国際標準化機構(ISO)が定めた国際規格で正式に決められた基準です。日本の産業規格(JIS)も、この国際規格に対応する国内規格として整合しています(公的な規格)。
2つ目は属性の記述のしかたです。 ISO 20480-2(対応するJIS B8741-2)は、泡の大きさ・1ccあたりの個数(数濃度)・泡の表面の電気的な性質(ゼータ電位)などを、どう測ってどう書き表すかの枠組みを決めています。ここで大事なのは、これが「効果の基準」ではなく「記述のしかたの標準」だという点です。泡をどう表現するかを揃えているだけで、「この数値なら効く」といった話はしていません(公的な規格)。
3つ目は生成方法の分類です。 ISO 20480-3は、泡をどうやって作るか——水に圧力をかけて溶かして一気に出す方式(加圧溶解)、水流を細かくかき混ぜる方式、電気を使う方式、超音波を使う方式など——を整理しています(公的な規格)。作り方に複数の方式があること自体が、製品ごとに出る泡が変わりうる背景です。
ここまでをまとめると、規格が保証しているのは「言葉の定義」と「測り方・書き方の共通ルール」です。「この製品は効く」という効果を規格が認めているわけではありません。数濃度や測定値の読み解き方をもっと知りたい人は、「個数濃度と測定の見方 —『1cc○個』の読み解き方」で詳しく扱っています。
FBIA認証が審査しているのは「発生性能と、登録された効果・品質管理」
次に、製品ページでよく見る「FBIA認証」の話です。FBIA(ファインバブル産業会)は、業界の団体です。そこが運営する製品認証は、指定された試験機関で「規定どおりの泡がちゃんと出ているか(発生性能)」を測り、あわせて登録された特定の効果・条件や品質管理・広告表示までを審査する制度です(業界団体の制度)。
審査は主に3つの柱で行われます。
- 発生性能:規格の測定法で、指定ラボが実際に泡を測り、どの大きさの区分かを付けます。ここが第三者による測定として担保される中心部分です。
- 効果:登録された特定の効果・条件について、申請したメーカーが出したデータを、FBIAの専門家が判定方法と結果の両面から審査します。ただし試験データは申請者(自社)実施も認められます。
- 品質管理:泡の出方や品質が安定しているかを評価します。
ここで買い手として押さえておきたいのは、この認証が「発生性能を第三者が測って確かめる」制度である一方、効果の部分はメーカーが提出したデータの審査だという点です。つまり国が「この製品は洗浄に効く」「美容に効く」と効果効能を保証しているわけではありません(業界団体の制度)。
言いかえると、FBIA認証は「発生性能を第三者が測り、登録された効果・条件や品質管理まで審査した」という制度です。ただし効果の試験データはメーカー自身が出したものでもよく、国が効果を保証するわけでも、独立した研究の代わりになるわけでもありません。だから認証があっても「あなたの用途に効く保証」とまでは言えません。認証があることは判断材料の一つになりますが、そこから先の「自分の目的に効くか」は、その用途での検証を別に見る必要があります。
広告ガイドラインは「言いすぎ」を戒めている
FBIAはもう一つ、広告・表示のガイドラインも出しています(2025年版)。これは製品の広告や表示が行きすぎないように、業界が自主的に定めたルールです(業界団体の制度)。中身を見ると、買い手の警戒ポイントがそのまま書かれています。
このガイドラインは、法律の順守を求めています。中心にあるのは景品表示法です。とくに、根拠のないまま効果をうたう広告を規制する仕組み(不実証広告規制)を挙げ、効果や性能を表示するなら合理的な根拠が必要だとしています。あわせて、薬機法(医薬品や医療機器を規制する法律)や健康増進法などの順守も求めています。「殺菌される」「治る」といった医療的・衛生的な効果の表示は薬機法の対象になりうる、と警告している点も重要です。
さらに、このガイドラインは「ナノバブル」「マイクロナノバブル」といった言葉にも注意を促しています。これらはISOなどで厳密な定義が定まっていない概念的な用語で、あいまいなまま使われると消費者の混乱を招く、という整理です。業界団体自身が「定義のあいまいな言葉に気をつけて」と言っている、ということです。
だから、製品の広告を読むときのコツはシンプルです。
- 「認証あり」「ISO準拠」の文字だけで効果まで判断しない
- 「ナノバブル」など定義のあいまいな言葉に、効果の期待を上乗せしない
- 「治る」「除菌される」など医療っぽい断定表現が出てきたら、いったん慎重になる
このあたりの見抜き方をもっと知りたい人は、「UFBは怪しい?そう言われる理由を規格と測定から検証」もあわせてどうぞ。
だから「認証あり=効果あり」ではない
ここまでを一枚にまとめます。規格と認証は、それぞれ守備範囲が違います。
| 表示 | 保証していること | 保証していないこと |
|---|---|---|
| ISO 20480 / JIS B8741(規格) | 泡の呼び名・大きさの定義、測り方・書き方の共通ルール | 効果があること |
| FBIA製品認証 | 発生性能(第三者測定)と、登録された効果・条件・品質管理・広告表示の審査 | 国による効果の保証、独立した研究の代わり |
| FBIA広告ガイドライン | 広告が守るべき法律・表示のルール | 個別製品の効果そのもの |
つまり「認証あり=効果あり」ではありません。認証は発生性能や品質管理まで含めて審査したという材料ですが、効果の試験はメーカー自身が出したものでもよく、国の保証でも独立した研究の代わりでもありません。その上に「自分の目的でちゃんと確かめられているか」を別に積む必要があります。順番としては、まず自分の用途(肌・洗濯・掃除・温浴など)を決めて、その用途で裏づけのある製品を選ぶ、という流れが安全です。
- こういう人は認証表示を安心材料にしていい:「うたい文句どおりの泡が実際に出ているか」を確かめたい人。認証は発生性能の第三者チェックとして役に立ちます。
- こういう人は認証だけで決めないほうがいい:「効果があるか」を知りたい人。効果は用途ごとの検証を別に見る必要があり、認証の有無だけでは判断できません。
言葉と制度の意味がわかったら、次は「自分の目的に、どの製品が本当に向くか」です。目的に合わせて次の記事へどうぞ。
- 効果の全体像を知りたい人は → 「UFBの効果は?研究でわかっていること・いないこと総まとめ」
- そもそもの基礎を押さえたい人は → 「ウルトラファインバブルとは?買う前の基礎」
- 測定値・個数の読み方を知りたい人は → 「個数濃度と測定の見方」
- 製品を比べて選びたい人は → 「ファインバブルシャワーヘッド比較」
よくある質問
Q. 「FBIA認証」があれば効果は確かですか? A. 「効果が確か」とまでは言えません。FBIA認証では、指定ラボが「規定どおりの泡が出ているか(発生性能)」を第三者として測り、登録された効果・条件や品質管理まで審査します。ただし効果の試験データは申請したメーカー自身が出したものでもよく、国が効果効能を保証したり、独立した研究の代わりになるものではありません。そう受け取るのが正確です。
Q. 「ISO準拠」と書いてあれば、規格が効果を認めたということですか? A. いいえ。ISO 20480/JIS B8741が決めているのは、泡の呼び名・大きさの定義と、測り方・書き方の共通ルールです。効果を認定する規格ではありません。「準拠」は言葉や測り方のルールに沿っている、という意味にとどまります。
Q. 「ナノバブル」という表示はどう受け取ればいいですか? A. 「ナノバブル」はUFB(1マイクロメートル未満)とほぼ同じ意味で使われてきた言葉ですが、ISOなどで厳密な定義が定まっていません。業界団体のガイドラインも、あいまいなまま使うことに注意を促しています。言葉だけで大きさや効果を判断せず、気になれば泡の大きさや認証の区分まで確認しましょう。
Q. 認証がない製品は買わないほうがいいですか? A. 認証がないこと自体が「粗悪」を意味するわけではありません。ただ認証があれば、少なくとも「規定どおりの泡が出ている」ことは第三者が測って確かめています。そのぶん判断材料が一つ増えます。最終的には、認証の有無に加えて「自分の用途で効果が確かめられているか」で選ぶのが安全です。
この記事の参考文献(出典)
- ISO 20480-1:2017 / JIS B 8741-1:2019「ファインバブル技術—用語」(公的な情報:規格)[UFB-DEF-01]
- ISO 20480-2:2018 / JIS B 8741-2:2022「ファインバブル—属性分類」(公的な情報:規格)[UFB-DEF-03]
- ISO 20480-3:2021「ファインバブル—生成方法」(公的な情報:規格)[UFB-DEF-04]
- ファインバブル産業会(FBIA)製品認証登録制度(1a/1b認証)(公的な情報:業界団体)[UFB-DEF-20]
- ファインバブル産業会(FBIA)「ファインバブル広告・表示ガイドライン」第2.1版, 2025(公的な情報:業界団体)[UFB-SAF-12]
※情報源の区分 —— 研究で確認/公的な情報/メーカー調べ/使った人の声。出典番号[UFB-…]は編集部の引用データベースに対応します。



